Life in Vietnam #4

ベトナムに来て半年が経過しました。
何が足りて何が足りないか、現状を整理してみようと思います。


1. ベーシックスキル

駐在員としてのベーシックスキルはある程度身に付けられたかと。
日本に帰ったらお迎えさせて下さい!と、アテンドした顧客に感謝されるとこちらも嬉しいし、せっかくベトナムに来てくれたのなら少しでも何か感じて欲しいと思い此方も情報を出し惜しみせず出すようにしている。

アテンドばかりしていると旅行会社の仕事かと嫌にならないわけではない。然し乍ら、提供する情報の深度や考察にバリューをもたせ、視察に来た顧客のミッション・ビジネスの戦略に自分なりの解決策を提供するところを目指す必要がある。相手はそのビジネスのプロだが、こちらもベトナムのプロとして助言しなければならない。たかがアテンドと侮らず、何事も突き詰めて一流を目指さねばならないと思っている。


2. 英語

個人的にレッスンを受けていることもあり、多少は改善出来たかと。
少なくとも、ノンネイティブとの遣り取りなら、以前ほどの気負いはない。
然し乍ら、相手がネイティブとなるとやはりまだまだ未熟。残り半年の最重要課題。


3. リーダーシップ

部下をどのように扱うかということのみならず、ビジネスを行う上で、プロジェクト、ネゴシエーション、ミーティング、あらゆる場面でファシリテーターとして物事を前に進める力を磨かねば。人を巻き込んで、前進させる力こそリーダーシップと私は理解しているが、ベトナムにいる間にもっと高めていく必要があると感じる。


4. マーケティング・法律・マクロ経済

会計、税務、ファイナンスは勉強したし、それなりに自信があると自負しているが、マーケティング、法律、マクロ経済の知識、考え方をより深屈する必要がある。少なくとも30歳までには、どんな専門家とも同じ土俵で議論が出来るレベルに持っていくことが目標。


5. ベトナムについて

政治、経済、法律、規制、などは一通り勉強したが、文化、歴史、国民性、慣習などは引き続き深屈していく。こればかりは一朝一夕で身につくものではないので、限られた時間の中で出来る限り学ばねばならない。


ベトナムに来て、色んな立場や個性の人と接する機会が物凄く増えたが、この人の言うことは本当に信用できると思わせなければならない。使い古された表現なるも、アセットを持たない商社のバリューは人であり、それは色んな意味でビジネスをプラスに働かせる人と理解している。信頼関係を築く上で面白い小話も求められようが、対ビジネスという意味では、上記5つが重要なファクターと私は思う。

幸い、直属の上司は非常に優秀な方で、ロジカルで頭の回転も早く、酒の席での立ち振る舞いも上手くこなす、お手本のような先輩なので、大変有難い。最近は認めてもらえる部分も以前よりは増えたと信じているので、この調子で後任の座を狙えるくらい積極的に取り組みたい(ステータス上、難しいとは思うが、目標設定のレベルという意味で)。

Life in Vietnam #3

ベトナムに来て早くも2ヶ月が経過しました。
だいぶ仕事にも慣れてきたつもりですが、やはり体力勝負を求められる場面が往々にしてあり、机の前であれこれ考えていた本社での働き方とのギャップを多分に感じている次第です。
これぞ現場主義の醍醐味というやつなのでしょう。

商社は年々投資会社化しており、originalのトレーディングは機能会社に移管し、本社機能はトレーディングを中心とした核となるビジネスにより付加価値を与える新規の事業投資の発掘や事業投資管理、また経営資源ポートフォリオの管理を行うことが軸になりつつあります。

とは言え、商社が投資銀行やファンドと異なるのは、あくまで自分たちの商売、ビジネス領域の中で長期的に価値があると判断する事業に投資をするという点にあり、マネジメントも含めてown riskで行う点にあると個人的に考えています。

確かにファンドも出資した会社に経営者を派遣していますが、彼らのように業績を上げて企業価値=株価を上げて売却し、キャピタルゲインを得るのが目的ではなく、商社の場合一度投資したら基本的に短期でのExitは想定せず、長期的な企業価値の向上を前提にしています。

(ファンドのビジネスモデルを否定しているわけではなく、彼らの存在も資本主義の中では大事な役割と思いますし、故に彼らは巨額の対価を得ているわけで、言いたいのはアプローチこそ似ているものの役割や目的が商社とファンドでは異なるということです。)

即ち、投資をした会社の業績を上げるのみならず、業界内でのプレゼンスを高め、グループ全体として価値を高める必要があり、商社の人間がそのような経営を行うには、まず以って現場での商売の経験が必要、と個人的には考えています。

ところが、商社の本社に居ると、私もそうでしたが、ROEやROIが何%であるとか、有利な資金調達方法、節税スキームはどうだとか、どうしても机上の議論に目が行きがちで、(私は商社でしか働いていないので間違っているかもしれませんが)まるで投資銀行にいるような気になってしまいます。

商社のビジネスの本質を考えると、やはり現場に出て、現場のビジネスを体感する必要があると考えるので、改めて今の環境を有難く感じています。

地場のプランテーション経営者や業者の社長のベトナム人と吐くまで飲んでると(メコンデルタベトナム人は本当に酒が強い!飲みすぎて死ぬ人もいるくらい酒をよく飲む)、自分は一体何をしているのかと迷走してしまいがちですが、彼らとどうしたら上手くビジネスが出来るのか、どう付き合うべきなのか、という目的意識を強く持たねばならないと自分に言い聞かせています。

これはまだまだ大きな課題と自覚しています。

どうすればベトナムでモノが売れるのか、或はベトナムのモノを海外で売れるのか、商社の人間にとって本質的には此れこそが最も大事なissueと思うので、確りと考えていきたい。

人間、慣れてきたり油断したりすると、楽な方に流されがちなので、目的意識を強く持って、常に自分を戒めねば。

以上、自分に対する独り言でした。

Life in Vietnam #1

ついにベトナムにやって参りました。
同国の成長に負けずに成長してやろうと思っています。
有意義な経験とすべく、1年後の在るべき姿とマイルストーンも考えねばと思っているのですが(本来は日本でやっておくべきでしたが)、まずは生活インフラの構築と駐在員としての基礎動作を身に着けるべく初心に戻って献身的に業務に邁進するつもりです。

時間のある時にじっくり考察したいと思っていますが、初来越の感想、印象としては、「一昔前の中国」という感じです。
一人当たりGDPが2,200ドル程度、10年前の中国と同水準なので統計データと比較してもフィットするかな。

先般プライベートで行ったタイのバンコクと比較するとまだまだ発展途上感が否めませんが、故に1年間の成長を肌に感じることが出来ると思うので、非常に楽しみです。

よし、頑張ろう!

ベトナム

今年の5月頃からベトナムで1年間働く事になりそうです。
現在、私が所属している部署で(詳細は書けませんが)検討中の案件サポートというのが主目的です。
それ以外にも、マーケットリサーチやリエゾン業務を行うことになると思います。

行って働いてみないと何とも言えませんが、一年間という時間はかなり長いと思うので、自分なりの目標設定を明確にして行きたいと思います。


1.仕事のキャッチアップ・成果を出す
当たり前の話ですが、最優先事項。
いち早くキャッチアップして、バリューを出す。

2.異文化理解
このように書くと短絡的に見えてしまいますが、日本以外の国・文化に触れて、自分の価値観を広げたい。
それが今回たまたまベトナムという国なわけですが、言語や歴史についても確り勉強する。
また、東南アジアという括りで近隣諸国の知見も深めたい。

3.英語を鍛える
未だに英語は不得手なので、日本を離れる機会に英語も確りと勉強する。
TOEFLで100点くらい取れるようにはしたい。
試験勉強というよりも、日常的に英語に触れる機会をがっつり増やす。

4.資格の勉強
先日アメリカに出張した際、事業投資先に出向している先輩から頂いたアドバイス
海外にいる間は遊び惚けず、自己啓発も確りとやっておけと。
自分の強みを活かす意味でもUSCPAの勉強をしようと思っています。


こう言うのは大抵書いて満足してしまうケースが多い。
ただ、コミットメントすることで、否が応でもやらざるを得ない状況に自分を追いつめる効果もあると思い書いてみた次第。
出来る事は今からやる。
大事なのは有言実行ですね。

何をすべきか、何ができるか

今週は毎日出張、毎日会食。
その合間に経営計画、予算、取引の経伺。
テクニカルな業務が多く、年次相応の責任ある仕事が出来ていないと反省している一方、色々なスケジュールに忙殺されている。

今日もまた取引先との会食。
何日連続飲んでるんだというアルコールに辟易しながら席についたのだが、中々に実りのあるものだった。

いま担当している業界は、経済合理性に欠ける旧態依然としたところがあり、自分の会社を含めて、なぜそのビジネスをやっているのかという根本的な疑問に中々解の見いだせない世界。

そんな世界で商社として、何をするべきなのか、何ができるのか、真剣に考えないといかんと改めて考えさせられた。

青臭い感情だが、ビジネスの醍醐味ってやっぱり熱い想いでロマンを追いかけて、どうやったらそれが実現出来るのかを追求、実行していくことなんだろうな。
そして、いくら営利企業とはいえ、サステイナブルな成長を目指すには目先の儲けに捕らわれてはいかんのだ。
もちろん、日々のネゴシエーションはこれまた大事なことだが。

周りを巻き込んでロマンを実現するには、日々の仕事の積み重ねしかあり得ない。

大きな視座から、ミクロなオペレーションまで、確りと整理しよう。